■会期:2023年 11/10(金)〜12/10(日)
※月曜休館 午前10時~午後5時
■場所:染・清流館(明倫ビル6階)
■入館料:大人300円、学生200円
染色工芸において最も古くからあるロウ染め技法を駆使して、独自の立体的表現作品 をつくり続けてきた、小林祥晃氏の作品展を開催します。
小林祥晃氏は1955年、金工家小林尚珉氏の三男として生まれ、兄たちもそれぞれ金工・ 陶芸の分野で活動する、工芸一家のなかで育ちます。大阪芸術大学の工芸科では、天然 染料や日本の伝統色研究の権威、吉岡常雄、モダンアート協会の染色家、本野東一の薫 陶を受け、その後の作品制作に大いに影響を受けています。卒業後はきもの制作に従事し、 そこで徹底的に実際的なロウ染技法と色彩感覚を身に着け、80年代末に作家活動に入り ます。1988年の個展を皮切りに日展入選それ以降、そこを中心に活動を展開し、90年 代さらにヨーロッパを中心に、海外での活動も目立ってきます。
作品は趣味の野外活動で得た、自然を通した心象表現が中心となり、その中で特に砂 丘で見つけた風の痕跡は、その後の造形の大きな要素となっています。技術的にも進化し、 独学で発展させた撒(まき)ロウ技法を使って、作品は深みと奥行きを持っていきます。 さらに作品の立体的な表現を追求し、立体パネルへの展開やパノラマ的ともいえる大型 作品で、空間的試みも行われていきます。そしてそれらの作品は日展をはじめ、国内外 の数々の公募展で評価され受賞・入選を重ねていきます。
作品発表と同時に小林氏は、日本のロウ染め文化を世界に向けて発信する活動を続け て来たことは、あまり知られていません。そんな中、昨年2022年惜しくも病没され、そ の想いは中断してしまいます。
この展覧会では、彼がロウ染めにかけた熱い想いと、その表現の可能性を感じていた だければと思います。
1955年京都市生まれ。 1978年大阪芸術大学工芸学科染織専攻卒業後、きもの制作に従事。
1988年の初個展の後1989年日展初入選、以後連続入選を重ねる。同年京展入賞(あかね賞受賞)、1991年工芸美術日工会展入賞、その後も出展を重ねる。 1992年京都で開催された第3回国際テキスタイル・コンペティション入選、同年スイスの第15回ローザンヌ・テキスタイル・アート・ビエンナーレ入選。それ以降国際的な舞台での個展やワークショップが続く。 1994年ドイツ・ミュンヘンでの個展、 1995年個展・ワークショップ(ギャラリースメンド・ドイツ)、 1999年世界ロウケツ会議、 NOU&THEN展(ベルギー)、 2005年世界ロウケツ会議招待出品、日本のロウケツマスター展及びワークショップ(アメリカ・ボストン)など。国内展においては日展での2回の特選受賞、工芸美術日工会での文部科学大臣賞、工芸美術創工会展の大賞など、多くの受賞を重ねる。作品は京都府、ポーランド・アバカノピッチ美術館、ユネスコ・パリ本部ほかでコレクションされている。
染・清流館 ~染色専門美術館/京都~
〒604-8156 京都市中京区室町通錦小路上ル山伏山町550-1 明倫ビル6階 tel.075-255-5301
開館時間/午前10時~午後5時
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)8月、12月、年末年始 展示替えによる臨時休館あり。 入館料/大人300円、学生200円
http://someseiryu.net/index.html